【年金・健康保険を経費にする方法】保険料を抑えて手取りを増やす!

実際にフリーランス技師になって感じたことに、下記の問題があります。
  • フリーランスになって国民健康保険料が高くなった。
  • 個人事業主として仕事を受けるようになったけど、経費が全然足りない。
正社員のときは会社側が保険料を半分負担してくれていましたが、フリーランスは全額自己負担なので支払う金額が高くなります。
個人事業主の場合は所得を抑えて保険料を下げるために経費計上したいが経費が足りない。
できる限り保険料を下げ、保証を厚くする方法はないか?

保険料をただ単に支払うのではなく、経費にすることはできないか?

調べている中で「全国個人事業主支援協会に入会する」という方法を見つけました。

協会に所属することで通常フリーランスは加入できない社会保険に加入できるなど、様々なメリットがあることが分かりました。

この記事では、フリーランスの悩みである国民年金と国民健康保険を経費にする方法」「フリーランスの保険料を抑える方法」「フリーランスが社会保険に加入する方法などについて綴ります。

 

〈目次〉

1.フリーランスが加入できる保険の種類
2.フリーランスが保険料を抑える方法
  ・個人事業主支援協会とは
  ・メリット・デメリット
  ・入会した方がよい人・しない方がよい人
3.まとめ

1.フリーランスが加入できる保険の種類

フリーランスと正社員では加入できる保険の種類が異なります。
正社員は社会保険に加入し、厚生年金保険・健康保険・雇用保険・労災保険の4つの制度が適用されますが、フリーランスが加入できる保険は「国民年金保険」国民健康保険」のみです。

国民年金

国民年金の保険料は年齢・所得に関係なく定額です。令和6年4月からは月16,980円ですが、毎年度見直しが行われています。

国民健康保険

国民健康保険は所得に応じて賦課される「所得割額」と加入者数に応じて賦課される「均等割額」を合計したものです。
所得割額は前年の所得をもとに決められ、所得が高いほど支払う保険料が多くなります。
フリーランスは労災保険雇用保険には加入できないので、失業したり怪我や病気で働けなくなった場合は自分で対処しなければなりません。
厚生年金にも加入できないので、受け取る年金も少ないです。
傷病手当や出産手当などの給付金も受け取れません。
フリーランスが労災保険へ特別加入できる職種もありますが、現時点では放射線技師は対象外となっています。
条件を満たせばアルバイトも社会保険に加入できるのですが、巡回健診のアルバイトでは条件を満たすことは難しいです。
理由は、巡回健診を請け負っている会社の殆どが従業員規模が小さこと、閑散期は正社員の3/4以上の所定労働時間・日数を満たすことができないためです。
〈 アルバイトが社会保険に加入する条件 〉
  • 正社員の週および月の所定労働時間の3/4以上働いていること
 または以下の条件を全て満たす場合
  • 学生ではない(通信制や夜間は除く)
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 2ヶ月以上雇用見込み
  • 月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)
  • 従業員規模が101人以上(2024年10月以降は51人以上に改定)

2.フリーランスが保険料を抑える方法

年金保険および健康保険の料金を抑えるためには、下記の方法が挙げられます。
  • 扶養に入る
  • 経費計上して所得を下げる
  • 協会や組合に加入する

扶養に入る

フリーランスでも条件を満たせば家族の扶養に入ることができます
扶養に入ると国民年金と国民健康保険の支払いはゼロになるので一番最強の方法です。
📣【フリーランスが扶養に入る方法】についての記事はこちら

経費計上して所得を下げる

個人事業主として仕事を受けている場合は、経費で所得を下げることで保険料を抑えられます。
青色申告で経費計上して事業所得を下げる、または損益通算して給与所得を下げる訳ですが、経費が足りないからといって必要以上にお金を使うのは間違いです
経費にするなら自分の手元からお金が出ていっていないものや必ず支払わなければいけないものを経費にしたい。
国民年金や国民健康保険はすべての人が納める義務があるので、これを経費にしたいわけです。

協会や組合に加入する

アルバイトは稼げば稼ぐほど保険料が高くなってしまうので、協会や組合に加入する方法があります。
今支払っている保険料より協会費や組合費の方が安い場合はお得です。
私もフリーランスになったばかりの頃は全国個人事業主支援協会」という協会に加入して保険料を抑えていました。
保険料を抑える以外にもメリットがあるので、フリーランスの方は検討の余地ありです。

全国個人事業主支援協会とは

個人事業主が働きやすい環境を提案するプラットフォームです。

具体的には、情報発信や大型案件のシェア、案件の相互紹介などを行っており、様々な業種の個人事業主が在籍しています。

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https://kojinjigyou.org/

入会して会費を支払うことで、「理事」として協会に所属することになります。

月々の協会費は、年収(所得証明)を元に計算され、入会当時は毎月¥38,500の協会費を支払っていました。

その他にも、任意ではありますが「働けなくなった場合の保険」や「報酬トラブルがあった場合の弁護士費用保険」などの個人事業主ならあり得る問題を事前に解決してくれる保険をたくさん扱っています。

 

メリット

節税効果がある

一番大きなメリットは、社会保険料控除に加えて協会費が全額「諸会費」として経費計上できるため節税効果があることです。

社会保険に加入できる

通常、フリーランスでは加入できない社会保険に加入することができます

厚生年金に加入できるので将来の年金受給金額を増やせます。

※ 国民健康保険料と国民年金を最大45%削減できる

審査が通りやすい

社会保険加入により各種審査(クレジットカード審査や入居審査等)に通りやすくなります。

紹介料がもらえる

紹介制度があり、新規会員を紹介すると協会から紹介料がもらえるので協会費が安くなります。

紹介した友人が入会した場合、その方が退会されない限り紹介者1名につき毎月5,000円を紹介料として支払われます。

例えば、

友人を3名紹介して全員が加入した場合

入会翌月から毎月25日に15,000円が支払われます。

8名紹介すれば自分は無料で協会に所属でき、保険料を納めずに社会保険に加入できるということになります。

 

デメリット

iDecoの上限掛金が下がる

理事として協会に所属することになるので健康保険が第2号保険者になります。

そのため上限掛金が¥68,000→¥23,000になってしまいます。

iDecoで節税したい、老後資金を作りたい人は検討する必要があります。

月に1回記事を投稿しなければいけない

入会にあたり日々の活動を月に1回以上協会ホームページに掲載する記事を書いて欲しいとのこと。

私は一度も書いていませんでしたが、特に何のお咎めはありませんでした。

保障が厚くなるわけではない

社会保険に加入できるからといって保障が手厚くなるわけではありません。

  • 労働保険(労災保険、雇用保険)には加入できない
  • 出産手当、傷病手当は支給されるが少ない

※労働保険は従業員のための保険なので、一般財団法人の社員や役員(理事)は加入できません。

【出産手当金】

出産すると健康保険の範囲では出産育児一時金と出産手当金が支給対象となります。

出産手当で支給される金額は、社会保険に加入している法人での収入を元に算定されます。

いくら支給されるのかというと、、、

協会が設定している理事の役員報酬は月額13,000円(健康保険における等級としては58,000円の標準報酬月額)なので、支給される金額はおよそ1日あたり1,287円となります。

58000円÷30日×2/3=1,287円/日

手当金は個人の所得全体に対して手当金が支払われるわけではなく、協会の役員報酬をもとに計算されます。

そのためあまり期待できない金額となってしまいます。

また、役員報酬は実際に支払われるわけではなく、協会側がそういう設定にしているだけということです。

役員報酬がなぜ月13,000円金額なのか問い合わせましたが、回答は得られませんでした。

【傷病手当金】

傷病手当も支給対象ですが、下記の受給条件があります。

  • 病気、怪我等により、社会保険に加入している当該法人での業務が続行不可能な状態にあること
  • 傷病手当にて支給される金額は、社会保険に加入している法人での収入を元に算定される

個人の所得全体に対して手当金が支払われるわけではないので、出産手当金同様に支給される金額は1日あたり1,287円となります。

⚠その他注意すべきこと⚠

  • 協会費値上げ

以前の会費は¥35,000/月でしたが、社会保険料の引き上げ、サービス向上(協会の財務基盤強化)に伴い2021年7月より¥38,500に変更になりました。

今後も値上げしていく可能性があります。

※ 国民健康保険料と国民年金を最大50%削減できたが、上記の改定後は最大45%の削減。

  • 退会日の1ヶ月前に連絡が必要

(退会日はいつでも任意の日を設定可能)

理事として社会保険に加入していた関係で、退会後であっても理事としての競業阻止義務の観点から協会と類似するサービスを運営する団体や組織の理事や役員、社員には2年間は就任できません。

入会を検討した方がよい人

どういう人が協会へ加入した方がよいかというと、、
  • アルバイト契約のみでたくさん稼いでいる人
  • 友人を紹介できる見込みがある人
上記に当てはまる方は加入を検討しても良いかもしれません。
フリーランスでアルバイト契約のみの場合は所得が増えると健康保険料が高くなってしまうので、入会することで支払う金額を抑えられる可能性があります。
今納めている国民年金と国民健康保険の金額が会費より高い方は入会を検討しても良いと思います。
保険料を抑えられるうえに、経費計上できることが最大のポイントです!
例えば、
毎月の保険料の支払いが以下の場合
国民年金:¥16,500
国民健康保険:¥24,500
計:¥41,000/月×12ヶ月=¥492,000
協会に入ると
¥38,500/月×12ヶ月=¥462,000
年間で¥30,000安くなります。
さらに、自分の紹介で誰かが入会すると1人あたり¥5,000が自分の月会費から割引になるので、フリーランスの友人がいる方はよりお得です。

8人紹介したら保険料が実質ゼロになるので、、

入会しない方がよい人

iDeCoの掛け金を¥23,000以上にしたい場合は、協会に入ると第二号被保険者(上限金額¥23,000)になってしまいます。

iDeCoで所得税を下げることを優先したい、掛け金を上げて老後資金を増やしたい方は入会しない方がよいと思います。

3.まとめ

フリーランスでもやり方によっては保険料を経費にできたり、社会保険に加入することができます。

保険料を抑える一番の方法は扶養に入ることですが、扶養に入れない場合は協会や組合への加入がオススメです。

今回紹介したのは全国個人事業主支援協会というところでしたが、他にもたくさんの協会や組合が存在するので自身で調べて良いと思える組織に所属してみるのは一つの選択肢としてアリだと思います。

私は現在、個人事業主の仕事が主なので青色申告で事業所得を下げられるようになり協会を退会しています。

アルバイトでたくさん稼いでいる方には良い方法なので検討してみてはいかがでしょうか。

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