「稼いだお金が、税金で持っていかれるのはイヤ!」
「業務委託になったけど、経費ってどうすればいいの?」
そんな疑問を抱えているフリーランスは少なくありません。
個人事業主として業務委託で仕事をするフリーランスにとって、経費計上は節税の強力な味方。
今回は、業務委託フリーランスが知っておくべき経費の基本から、どんなものが経費になるのかまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
1.「経費」って何?業務委託のフリーランスが知るべき基本
まず経費とは、「仕事をするために使ったお金」のことです。
例えば、
・打ち合わせのためにカフェで使った飲食代
・仕事に必要なソフトやツールの月額費用
・クライアント先に訪問するときの交通費
これらはすべて、仕事に関係する「経費」になります。
なぜ、経費が重要なのか?
それは、税金の金額に深く関わるからです。
税金は、「売上」から「経費」を差し引いた「所得」で計算されます。
売上 − 経費 = 所得
この計算式を見れば一目瞭然!経費をたくさん計上すればするほど「所得」が下がり、結果的に支払う税金が安くなるんです。
経費計上で使われる用語
●「勘定科目(かんじょうかもく)」ってなに?
勘定科目とは、お金の出入り(収入や支出)を分かりやすく分類するための「タグ」のようなものです。
家計簿で「食費」「交通費」「光熱費」のように分けて記録するのと同じように、事業のお金も「売上」「地代家賃」「旅費交通費」といった決まった名前で分類していきます。
●「家事按分(かじあんぶん)」ってなに?
家事按分とは、家賃やインターネット代など、プライベートでも仕事でも両方で使っているものを「仕事で使った分だけ」経費にすることです。
割合は法律で「何%まで!」と決まっているわけではありませんが、「なぜその割合にしたのか」をきちんと説明できることが重要です。
●「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」ってなに?
減価償却費とは、仕事で使う高額なモノの代金を、一度にすべて経費にするのではなく、何年かに分けて少しずつ経費にすることです。
例えば、車やパソコンなど、数年にわたって使い続けるような仕事道具は、買ったその年だけでなく、来年、再来年も仕事で使いますよね。
これらのモノは、年々少しずつ価値が減っていくと考えます。
この「年々減っていく価値」を、会計上で費用として認めてくれるのが「減価償却費」なんです。
2.「これって経費になるの?」よくある疑問を解決!
どんなものが経費になるのか?勘定科目を具体例と合わせて見てみましょう!
① 家賃や光熱費など
自宅兼事務所にしている場合に支払ったお金は経費になります。(仕事で使っている割合で按分が必要)
- 地代家賃: 自宅の家賃やマンションの管理費、駐車場代
- 水道光熱費: 電気代、ガス代、水道代
- 通信費: インターネット代、携帯電話代、固定電話代
持ち家を自宅兼事務所にする場合も経費にできますが、計算が少し複雑です。
② 営業活動にかかる費用
新しい仕事を見つけたり、自分のことを知ってもらうために使ったお金も経費になります。
- 接待交際費: 取引先と打ち合わせした飲食代、お中元・お歳暮などの贈答品代、お祝い・お悔やみ金など冠婚葬祭代
- 旅費交通費: クライアントを訪問するときの電車・バス代、打ち合わせやセミナー参加のための新幹線代・飛行機代、出張時の宿泊費
- 宣伝広告費: 自分のホームページを作る費用、SNS広告を出す費用、名刺を作る費用、試供品にかかった費用
接待交際費は「誰と、どこで、何を話したか」など簡単なメモを残しておくと、仕事との関係性を説明しやすくなります。
③ 仕事で使うモノやサービス代
日々の仕事に欠かせない道具やサービスにかかったお金は経費になります。
- 消耗品費(10万円未満のモノ): ボールペン、ノート、プリンターのインク、パソコン周りの道具(マウス、キーボードなど)、仕事でしか使わない靴や衣類
- 新聞図書費: 仕事に必要な専門書、業界の雑誌、ビジネス雑誌、電子書籍
- 荷造運賃費: 完成した成果物を送るときの送料、梱包に使う箱や袋
- 支払手数料: 銀行の振込手数料でかかる手数料など
④ 自分のスキルを上げるための費用
もっと稼ぐために、自分自身に投資したお金も経費になります。
- 諸会費(研修費): 仕事に必要なセミナーに参加する費用、オンラインサロンの月額料金、業界団体の会費、資格を取るための試験代や教材代など
- 研究開発費: 新しい技術やサービスを開発するための情報収集費用など
⑤ 仕事で車を使う費用
仕事で車を使うときに支払ったお金は経費になります。(仕事で使っている割合で按分が必要)
走行距離を記録しておくと、仕事でどれくらい使ったかを説明しやすくなります。
- 車両費: ガソリン代、洗車代、車の修理代、車検費用、車の保険料
まとめ
今回は、経費の基本と、どんなものが経費になるのかを解説しました。
難しく考えがちな経費ですが、「仕事で使ったお金をきちんと記録し、事業と関係ないお金とは区別する」というシンプルな作業です。
いくら経費として計上できるからといって、個人的な趣味や家族旅行の費用など、仕事に直接関係ないものは経費にできないので注意しましょう。