【確定申告】税務署から電話が来た!税務調査を受けやすいフリーランスの特徴と対策

先日、フリーランスでシステムエンジニアをしている友人から‘‘税務署から電話が来た‘‘という話を聞きました。
「〇〇様ですか?〇〇税務署の〇〇と申します。確定申告の内容についてお伺いしたいことがありまして…」
と突然連絡があり、確定申告の内容について色々と質問を受けたというのです。

もしも、その電話が自分へ来たら、、、上手く対応できる自信が全くない笑
確定申告をきちんと行ったつもりでも、やはり税務署からの電話となると不安になります。

今回の記事では、税務署からの電話で実際に聞かれた内容と税務調査を受けやすいフリーランスの特徴や対処法についてつづります。
もし、税務署から連絡があった場合の対処法として何かのお役に立てましたら幸いです。

< 目次 >

★結論★

・税務署から電話が来た理由

・電話で聞かれた内容・対処法

1.税務調査は他人事ではない
・税務調査で何を調べるのか?
・税務調査で不備が見つかるとどうなる?

2.税務調査を受けやすいフリーランスの特徴
・所得金額の申告漏れが多い業種に該当する
・売上が1000万円近い年が続いている
・経費の金額が多い
・複数の事業を行っている
3.税務署に目を付けられないように気を付けること

・確定申告を正しく行う

・税務に関する知識を身につける

  • 税務に関する知識を身につける

4.まとめ

結論

確定申告で少し間違えがあったくらいでは、犯罪ではないので逮捕されることはありません。
間違えていた場合はその個所を訂正し、納めるべき税金を払えば問題ありません。

税務署から連絡が来る=税務調査という訳ではありません。
確定申告の内容に疑問点や不備があって、確認や訂正依頼でかかってくる場合が多いです。
そもそもフリーランスが税務調査を受ける確率はものすごく低いので安心して大丈夫です!

税務署から電話が来た理由

この友人の場合、税務署から電話が来ることになった理由は4つあります。

・複数の業種からの収入がある
・計上している経費が多すぎる
・東京から他県へ引越しをした
・経営コンサルタントとして開業届を提出している

友人はシステムエンジニアの収入が主ですが、その他にも人材紹介業や不動産仲介業など全く異なる業種の収入が複数あります。
さらに、売上が1000万円近い上、経費が多額に計上されて課税所得が低く申告されている。
、、、、こんなヤツ、完全に怪しい人です。

他県へ引越ししたことも理由の一つです。
東京都内の税務署は他の都道府県と比べて確定申告の処理をする量が多いので、少し不備があったり怪しい内容でも見過ごされている可能性があります。
また、友人のように怪しいフリーランスや個人事業主は都内には多数存在すると思うので紛れることができます。
地方には複数の業種を掛け持つフリーランスが少ないため、目立ってしまったという訳です。

その他、開業届を提出するときに業務内容を「経営コンサルタント」としていることも関係していると思います。
建設関係や小売業など仕入れがある業種ではないので、経費が多過ぎると「一体何に使っているんだ?怪しい、、、」と税務署の方に思われてしまいます。

電話で聞かれた内容・対処法

様々な業種の収入があるようだが、それぞれの事業内容を説明してほしい。

本業は〇〇の仕事で、副業で△△と▢▢の事業をしています。

確定申告の書類には取引先の会社名のみ記載されるので、詳しい事業内容は分かりません。
確定申告で不備や不明点があった場合、税務署の方が過去に提出した開業届などの書類をチェックし、それでも疑問が解決しなければ本人へ確認の電話がかかってきます。

それぞれの事業について、どのような事業内容でどういう取引先とやり取りしているのか説明が求められますが、正直にありのままを伝えれば問題ありません。

 

多額の経費が計上されている理由を説明してほしい。

それぞれの取引先へ営業活動を行っているので、接待交際費がかかるんです!!

「仕事をもらえるように頑張っている!」「毎日営業活動をしているからお金がかかる!」
このように頑張っていることをゴリ押しすれば、それ以上は追及されなかったとのこと。
電話での確認のみで、税務調査(書類の提出を求められたり、税務署の方が家に来たり)することはなかったそうです。
経費計上やりすぎ注意、、、ということを肝に銘じましょう。

1.フリーランスも税務調査を受ける可能性はある

税務調査というと、大企業や悪質な脱税者が対象というイメージがあるかもしれませんが、それは「査察調査」です。
個人が受けるものを「税務調査」といい、これはフリーランスも対象となります。

とはいえ、フリーランスに税務調査が入る確率は0.2%程度とかなり低い確率です。
500回確定申告をして1回調査されるかどうかなので、ほぼ無いといえます。

税務署で働いている友人曰く「収入が1000万円以下のフリーランスの確定申告なんて見てないよ!」とのこと。
自分が知らないだけで、世の中には1000万円以上稼いでいる人はたくさんいるので、収入の低いフリーランスから搾り取れる税金なんて高が知れてるから眼中にないそうです。
確かに税務署職員(公務員)の人件費を考えると、収入が1000万円以下のフリーランスから取れる税金は20~40万円程度なので割に合わないですね。

税務調査の対象になってしまっても、間違っている個所を訂正して、納めるべき税金を払えば問題ありません。

税務調査で何を調べるのか?

税務調査の目的は、確定申告の内容が正しいかどうかを確認することです。
具体的には、売上金額、売上原価、必要経費などが調査対象となります。
申告書、帳簿書類、領収書、請求書、通帳などの資料に基づいて、その正確性が検証されます。

  • 売上(収入)
    • 収入の申告漏れがないか
    • 売上計上時期は適切か(役務提供完了日、商品引き渡し日など)
    • 売上を意図的に少なく申告していないか
    • 現金取引の場合、売上を除外していないか
    • 売上先からの入金記録と帳簿の記載が一致しているか
  • 経費
    • 経費として計上されているものが事業に関係あるものか
    • プライベートな支出を経費として計上していないか
    • 経費の金額は適切か(過大に計上していないか)
    • 証拠書類(領収書、請求書など)は保管されているか
    • 家事按分が必要な経費(家賃、光熱費など)の計算は適切か
  • 帳簿
    • 帳簿への記載は適切か(日付、金額、内容などが正確に記載されているか)
    • 帳簿の種類は適切か(現金出納帳、売上帳、仕入帳など)
    • 帳簿は改ざんされていないか
    • 電子帳簿保存法に対応しているか
  • 源泉徴収
    • 従業員への給与から源泉徴収した税金は正しく納付されているか
    • 源泉徴収簿は適切に作成・保管されているか
    • 外注費として支払っているものが、実は給与に該当しないか
  • その他
    • 消費税の申告は適切か
    • 青色申告の要件を満たしているか
    • 税務署からの問い合わせに適切に対応しているか

税務調査で不備が見つかるとどうなる?

税務調査で不備が見つかった場合、追徴課税が課せられることがあります。
追徴課税は、本来納めるべき税金に加えて支払う必要のある税金で、不備の内容や悪質度によって納める金額が異なります。
延滞税・利子税・加算税の3つのペナルティがあります。

延滞税

期限までに納税しなかったことに対して課せられる税金です。
原則として、納付期限の翌日から2か月までの間は年7.3%、その後は14.6%の割合で課税されます。

利子税

税務署に税務申告の延長を申し出た場合に、延長した日数に応じて課される税金です。
申告延長が認められた場合に課されるため、延滞税とは異なりペナルティの意味合いはありません。
延滞税よりも税率が低く、租税公課として損金に参入することができます。

加算税

申告漏れや過少申告などに対して課せられる税金で、以下の種類があります。

重加算税

意図的に不正な申告をした場合に課せられます。
納付税額の35%または40%に該当する額を納めなければいけません。
加算税の中ではもっとも重いペナルティです。

無申告加算税

確定申告を期限内にしなかった場合に課せられる税金です。
無申告加算税の税額は、納付すべき税額が50万円までは15%、50万円を超える部分については20%となっています。
申告期限を過ぎてしまっても税務調査の前に自主的に申告を行うと、無申告加算税の税額が5%~10%に軽減されます。

過少申告加算税

収入や経費をごまかし、本来の所得額よりも少ない金額を申告した場合に課せられる税金です。
過少申告加算税は、不足していた税額の10~15%となります。
税務調査よりも前に自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税は課せられません。

不納付加算税

源泉徴収税額を期限内に納付しなかった場合に課される税金です。
納付期限を過ぎた後、自主的な納付をした場合には5%、税務署の指摘により納付した場合には10%の追加納付が必要です。

税務調査を受けやすいフリーランスの特徴

税務調査を受ける可能性が高いフリーランスには、以下のような特徴があります。

所得金額の申告漏れが多い業種に該当する

フリーランスの方で、所得の申告漏れが多い業種で働いている方は、税務署から調査を受ける可能性が高くなります。
国税庁の2022年の調査では、現金取引が多い業種(飲食店、小売業など)や、売上の把握が難しい業種(フリーランスのデザイナー、プログラマーなど)が申告漏れが多い業種として挙げられています。

◉事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

 

※国税庁「 令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況

売上が1000万円弱の年が続いている

売上が1000万円を超えると消費税の納税義務が生じますが、1000万円以下の場合はインボイス登録をしない限り消費税の納税義務を負いません。
そのため、1000万円に近い売上が何年も続いていると、消費税を納めなくても済むように意図的に所得を下げていると疑われやすく、税務調査につながりやすいです。

経費の金額が多い

経費の金額が多過ぎる場合、事業と関係ない費用も経費として計上しているかもしれないとの疑いから、税務調査につながりやすいです。
経費は金額の多少ではなく、売上に対する経費の割合が重要です。
売上に対して経費がどのくらいまで認められるのかは一概には言えませんが、一般的に経費は売上の30~60%程度とされています。

複数の事業を行っている

全く異なる業種からの収入が複数あるフリーランスは世の中的に少ないため、税務署の目に留まりやすいです。
特に「現金での取引が多い」「収入を得ている方法が複雑」などの場合、所得隠しをしているのでは?と疑われやすく、税務調査につながる可能性が高いです。

税務署に目を付けられやすいその他のケース

・過去に税務調査で問題があった
・税務署からの問い合わせに適切に対応しない
・税務に関する知識が乏しい
・税理士に依頼せずに自分で確定申告を行っている

税務署に目を付けられないように気を付けること

税務署の目に留まらないようにするには、以下の点に注意することが大切です。

  • 確定申告を正しく行う
    • 申告内容に誤りがないか確認し、期限内に申告する
    • 意図的に過剰な経費計上をしない
    • 税務署からの連絡には迅速かつ正直に対応する
  • 正確な帳簿を作成する
    • 収入と支出をきちんと記録し、証拠書類(領収書、請求書など)を保管する
    • 現金取引の場合、必ず領収書を発行する
    • クレジットカードや銀行口座の明細を保管する
    • 家事按分が必要な経費は、計算根拠を明確にする
    • 帳簿ソフトやクラウド会計サービスを活用する
  • 税務に関する知識を身につける

まとめ

この記事で紹介した友人は、税務署から確定申告の内容に関して確認の電話は来ましたが、実際に税務調査が行われることはありませんでした。
しかし、一度このようなことがあると今後も目を付けられてしまいます。
日頃から帳簿をきちんと作成し、確定申告を正しく行うことで、税務調査のリスクを減らすことができます。

色々とつづりましたが、私のように収入が1000万円以下のフリーランスの場合、税務調査を受ける可能性はほぼ‘‘0‘‘に近いので安心してください。
私はフリーランス6年目を迎えましたが、今のところ税務署から連絡が来たことはありません。
もしかしたら今後電話が来ることがあるかもしれませんが、そのときは適切な対応ができるように今から税務に関する知識を付けて備えていきます。

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