失業保険をもらいながら副業をするとき、給与所得や事業所得など所得の種類に決まりはありません。
退職前から個人事業主として業務委託の副業をしている場合でも、条件を満たせば、退職後も失業保険をもらいながら副業を続けることができます。
この記事では【後編】として、失業保険をもらいながら副業(業務委託)を継続するための条件、手順、注意点を解説します。
<目次>
1.失業保険の申請~受給までの流れ
・STEP1:失業保険の手続きをする前
・STEP2:待機期間中(7日間)
・STEP3:給付制限期間中(1ヶ月)
・STEP4:失業保険受給中(最大1年)
2.副業をしている場合の申告方法
3.副業をするときに気を付けること
まとめ
1.失業保険の申請~受給までの流れ
退職後、失業保険をもらいながら副業の仕事をするとき、以下のような流れになります。
就労条件は、アルバイトやパートと同じです。
STEP1:退職~失業保険の申請をする前
退職してから、ハローワークで失業保険の手続きをする前は、基本的に自由に副業できます。
しかし、1週間の労働時間が20時間以上の場合、事業として成り立っていると判断され、失業保険の受給資格がなくなる可能性があります。
また、失業保険がもらえる期間は、退職日の翌日から最長1年間と決まっています。
退職日してからすぐに失業保険の申請をせず、副業ばかりしていると、失業保険の受給開始日がどんどん後ろ倒しになり、下図のように満額もらえなくなります。
失業保険を満額もらいたい場合は、退職日の翌日はすぐにハローワークへ行き、失業保険の手続きを行いましょう。
STEP2:待機期間中(7日間)
待期期間とは、退職後ハローワークに離職票を提出+求職申込してからの7日間のことです。
ネット上で待機期間について調べると、、、
「この7日間は、失業状態を調査する期間なので、少しでも収入があってはいけない」
「仕事をした場合は、待機期間が延長され、失業保険がもらえる日が遅れる」
と、書かれていることが多いのですが、ハローワークに確認したところ「一日4時間未満など数時間程度であれば副業をしてもいい」とのことでした。
地域ごとのハローワークで考え方が異なる可能性があるので、お住いの管轄のハローワークへ確認必須です。
STEP3:給付制限期間中(1ヶ月)
給付制限とは、「自己都合で退職した場合」に設けられている期間です。
待機期間の7日間が終わって、給付制限期間になれば堂々と副業をすることができます。
しかし、事業とみなされる働き方をした場合、失業保険の減額や受給停止になる可能性があるので、副業する場合はハローワークへ相談しましょう。
💡ポイント💡 事業とみなされる働き方とは?
副業を1日4時間以上または週20時間以上してしまうと、「事業が成り立っている」とみなされてしまいます。
1日4時間以上働くと、その日は失業保険が支給されません。
副業の収入額に制限はないですが、1日4時間未満の実働でも、極端に収入が高すぎると失業保険をもらう資格がなくなったり、減額されてしまいます。
※4時間ぴったり働いた場合は、「4時間以上」に含まれるので気を付けましょう
STEP4:失業保険受給中
失業保険をもらっている期間も、条件を満たせば副業できます。
しかし、STEP3と同じように働き過ぎには注意しましょう。
4週間に一度ハローワークへ行き、失業認定申告書にアルバイトの就労日と労働時間を記入して申告するのも忘れずに!
💡ポイント💡 失業保険の金額はどうやって決まるの?
失業保険の金額は、会社員の収入に基づいて決まります。
会社員と副業(個人事業主)のダブルワークをしている場合でも、失業保険の計算に含めるのは会社員の収入のみです。
なぜなら、副業(個人事業主)の収入は雇用保険の対象ではないため、失業保険の計算には含まれないからです。
もしご自身の受給額を知りたい場合は、以下のサイトで簡単にシミュレーションできます。
● 参照:doda「失業保険シミュレーション」
2.副業をしている場合の申告方法
失業保険をもらながら副業をする場合も、「失業認定申告書」という書類をハローワークに提出します。
失業認定申告書の日付に、4時間以上働いた日は‘‘〇‘‘、4時間未満の日は‘‘✕‘‘を記入します。
この用紙は、4週間に1回必ずハローワークに提出が必要です。
何時間働いたか?いくら稼いだか?など就労状況を証明する書類の提出は求められません。
あくまで自己申告なので、そこまで厳密にやる必要はなさそうです。
3.副業をするときに気を付けること
● ハローワークへの申告は必須
失業保険をもらながら副業をする場合も、必ずハローワークに申告してください。
申告を怠ると、不正受給とみなされる可能性があります。
● 不正受給は厳禁
不正受給が発覚した場合、失業保険の支給停止や返還、罰則などが科せられます。
まとめ
失業保険を受給しながら業務委託をするには、複雑なルールを理解し、正しく申告する必要があります。
不安な場合は、ハローワークに相談することをおすすめします。
この記事が、あなたの再就職活動と生活をサポートする一助となれば幸いです。