【アルバイトは損?】個人事業主になって業務委託契約を結んだ方が良い理由

フリーランスまたは病院で働きながら副業をしている人で、開業届を提出している場合を個人事業主といいます。
個人事業主が仕事を受けるとき取引先となる会社と契約を結ぶわけですが、その契約方法は2つあります。
「アルバイト(労働者)」として契約する方法と「業務委託(事業主)」として契約する方法です。
この記事では、「業務委託契約を結ぶ方法」や「契約を結ぶときに必要なこと」などについて綴ります。

< 目次 >
1.業務委託契約とは

・業務委託の種類(請負契約と委託(準委託)契約)

・メリット(個人事業主側)

・メリット(企業側)
2.業務委託契約を結ぶには?
・今のアルバイト先に交渉する

・営業をかける
・紹介してもらう

★なぜ業務委託の仕事がないのか?
3.契約する際に必要なこと
・契約書を作成する
・契約条件を決める
4.まとめ

1.業務委託契約とは

業務委託とは「雇用関係のない企業から仕事を依頼され、特定の業務を行うことで報酬が支払われる働き方」のことです。

業務委託を受ける際は、両者の間で仕事の内容や報酬など業務委託に関する契約を結び、作成した成果物や業務の遂行の対価として取引先から報酬を受け取ることになります。

業務委託は請負と委任(準委任)のどちらかに当てはまり、完成を目的とするものが「請負」遂行を目的とするのが「委任(準委任)」です。

請負契約|成果物の完成を目的とするタイプの契約

請負契約は「製作」に関わる業務で頻繁に用いられることが多いです。
請負人(業務を依頼される側)は仕事を完成させることを約束し、その成果物に対して報酬が支払われる契約です。

情報通信業や生活関連サービス業・娯楽業など、以下のような職種に多いです。

  • Webデザイナー
  • プログラマー
  • ライター
  • 工事業者
  • 配送ドライバー
  • 美容師
  • ネイリスト など

委任契約|業務に報酬が支払われるタイプの契約

「委任契約・準委任契約」とは、特定の業務を遂行することを定めた契約です。
業務を行ったという事実に対して報酬が支払われる業務委託のことをいい、法律に関する業務を受ける際に結ばれる契約です。

委任契約と準委任契約との違いは、「委任契約」は法律行為を委託する契約であるのに対し、「準委任契約」は事実行為(事務処理)の委託をする契約です。
委任(準委任)の場合、原則として「成果物の完成責任を負わない」という点が請負とは異なります。

委託契約には以下の職種が当てはまります。

  • 弁護士
  • 会計士
  • 税理士
  • 司法書士

フリーランスの放射線技師は、「準委託契約」に分類されます。

メリット(個人事業主側)

事業所得には3つのメリットがあります。

  • 経費が使える
  • 青色申告特別控除が使える
  • 損益通算できる

経費が使える

給与所得では経費は認められていませんが、副業で稼いだ事業所得は確定申告することで、経費や控除が認められます。
事業にかかわる支出を全て経費とすれば、課税所得が減るのです。

特に、家賃や電気代など「生活費の一部」も経費にできるメリットは大きいです。
あくまでも事業に関係するものが経費にできるのであって、関係ないものを経費に計上した場合は脱税になります。

青色申告特別控除が使える

経費と同様に確定申告をすることで控除が使えます。
特に青色申告を行うと青色申告特別控除が使え、控除額は最大65万円です。
所得を下げられるので節税に繋がります。

損益通算できる

損益通算とは、その年の利益と損失を合算することです。
事業で赤字が出た場合、その赤字を給与所得と合算して全体の課税対象となる利益を減らすことができます。
このようにすると、納める税金を減らすことができます。

メリット(企業側)

業務委託を結ぶことは個人事業主側だけではなく、企業側にもメリットがあります。
  • 社会保険料等の支払いが不要
  • 労働法が適用されない

社会保険料等の支払いが不要

企業側にとって自社の労働者ではないため、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などの社会保険料の負担がありません。
企業側は報酬と消費税等の負担のみなのでコストを抑えられます。

労働法が適用されない

労働基準法では、1日8時間、1週間で40時間以内という法定労働時間が決められています。
最低賃金法によって都道府県ごとに最低賃金も決められているため、使用者は労働者に対して最低賃金額以上の賃金を支払うことが義務づけられています。

フリーランスは労働者ではないので、最低賃金法や労働基準法は適用されません。
そのため企業側は業務委託者に対して保証をする必要はなく、人件費の負担が少なくて済みます。

2.業務委託契約を結ぶには?

放射線技師の仕事を探すにあたり、正社員・派遣・アルバイト等の求人はたくさん掲載されていますが、業務委託の求人はほぼありません。

そのため自分で交渉して契約方法を変えたり、業務委託で契約している方に紹介してもらう必要があります。

今のアルバイト先に交渉する

業務委託の仕事が存在しないなら、自分で創り出す必要があります。

その一番簡単な方法は、今アルバイトで仕事を受けている会社に交渉することです。

既存のアルバイト先であれば、すでに信頼関係が築けているので契約を結んでもらえる可能性が高いです。
仕事をしたことのない会社と最初から業務委託契約を結ぶためには、関係構築から始めなければならないので契約まで時間がかかってしまいます。
私が業務委託契約を結べた方法として、このパターンが多いです。

営業をかける

少しハードルが高いですが、自分で病院・健診施設・クリニックなどの医療機関や会社を調べて契約交渉をするのも一つの方法です。
自分で営業活動をしなければいけないですが、他の技師と被らない仕事を探すには有用な方法です
ご自身で営業・交渉している方の話では、10件に1件交渉に応じてくれる会社があれば良いほうだそうです。

紹介してもらう

もし自分の周りに業務委託契約を結んでいる技師がいる方は、紹介してもらえると有難いですね。

仕事先に関する情報は、フリーランス技師にとって生命線となる最も重要な情報です。
ネット上に情報が少ないことでより重要性が高いです。
そのため、仲が良くない限りフリーランス技師さんが持っている情報はそう簡単に教えてもらえません。
教えてもフリーランスにとって何のメリットもないので。

中には仕事を紹介してくれる親切な技師さんもいらっしゃいますが、そういう方は稀です。
もしフリーランス技師さんから情報が欲しいなら、仲良くなるか、give&takeの関係を築く必要があると思います。

なぜ業務委託の仕事がないのか?

放射線技師以外のコメディカルも含め医療従事者の業務委託が求人にあまり存在しない理由は、働き方が「労働者」とみなされてしまうことが原因と考えられます。

・仕事を受ける受けないを自由に決められるか
・指揮命令や指示を受けずに自由に業務の遂行ができるか
・勤務時間や場所の拘束がないか
・他者による替えが効くか

などの要素を満たさない場合、労働基準法では労働者とみなされます。
医療系の仕事は上記を満たさないことが多いため、業務委託の仕事は少ないのではないかと思われます。
機械・器具など業務に必要な道具も自分で準備・負担しているわけではないので事業者性が無いと判断されてしまう可能性があります。

また、医療法において「医療機関に管理者を置かなければならない」と定められており、管理者の指示のもと業務を行うため強く従属していることも要因の一つだと思います。

📣関連記事はこちら【業務委託契約で注意すべきこと】

3.契約する際に必要なこと

会社や医療機関と業務委託契約を結ぶ際は、両者で契約内容を決めて契約書を作成します。

契約条件を決める

実際に業務を行うときや報酬の支払いの際にトラブルが起きないように、納得がいくまで双方で話し合う必要があります。

仕事を受ける側は仕事を依頼する側よりも弱い立場になることが多く、報酬を低く設定されたり、本来行わなくてよい業務をさせられたりする可能性があるので気を付けましょう。

腹黒い経営者の方はフリーランス側に知識がないと感じると直ぐ搾取してくるので、勉強して知識をつけることも大切です。

具体的にどのような内容を決めればいいのか?については、下記の記事をご覧ください。

📣関連記事はこちら【個人事業主】

契約書を作成する

医療法人○○会のような大きい組織の健診会社と契約を締結するときは書類を作成しますが、家族経営の小さい健診会社の場合は口約束のことが多く、基本的に書類の作成はしないです。

業務委託契約書の作り方が分からない方は、無料で雛型をダウンロードできるサイトがありますので参考までに。

📣業務委託契約書の作り方

📣関連記事はこちら【契約書の作り方】

まとめ

業務委託で契約できるとたくさんのメリットがありますが、注意すべきこともあるので必要な知識を身につける必要があります。

折角契約を結ぶならしっかり話し合いを行い、双方が納得できる条件で契約を結べるとよいですね。

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