折角フリーランスになっても、アルバイトや派遣の契約だと納める税金が増え、手取りが減ってしまう、、。
その問題を解決するためには、「個人事業主として業務委託契約をする」ことで節税につながり、手取りを増やせることが分かりました。
病院で働きながらアルバイトをしている方も、契約方法を変えるだけでとてもお得に節税できます。
この記事では、個人事業主として契約を結ぶためにしたことや必要な手続き、実際に個人事業主になってからやったことについてまとめました。
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< 目次 >
1.個人事業主とは
・個人事業主になったキッカケ
・どのように契約を結ぶのか
2.個人事業主になるために必要な手続き
・仕事先と業務委託契約を結ぶ
・開業届を提出する
・青色申告承認申請書を提出する
3.個人事業主になってからやること
・請求書の作成
・売上が振り込まれているか確認する
・確定申告の準備
4.病院×個人事業主のお得な節税方法
・損益通算ってすごい!
5.まとめ
1.個人事業主とは
前提として私が考える「フリーランス技師」とは、一つの場所で働くのではなく、様々な場所や会社と自由に「自分自身で決めて仕事をする働き方」をしている人です。
フリーランスは働き方の一つであって、その中にアルバイトや個人事業主という契約形態があるという風に解釈しています。
個人事業主になったキッカケ
正社員を辞めてフリーランス技師になった当初は、アルバイトや派遣契約の仕事のみでした。
その働き方だと納める税金が高く、手取りが少ない、、
フリーランスでSEの仕事をしている友人に話を聞いたところ、「個人事業主として業務委託契約すると節税できる」とのこと!
ですがネットで探しても業務委託契約の放射線技師の仕事は見つからず、、
アルバイトで仕事を受けていた健診会社に相談したところ、業務委託の契約を承諾してもらえたことがキッカケです。
健診会社から業務委託の提案をしてもらえることはないので、自分から交渉する必要があります。
派遣会社は色々な理由から業務委託契約を結べる可能性が低いので、健診会社に直接交渉する必要があります。
※このやり方は引き抜きという形になり、派遣会社にバレると良く思われないので交渉する際は気をつけましょう。
現在は主に5社と仕事のやり取りをしていて、そのうち4社と業務委託契約を結んでいます。
どのように契約を結ぶのか
まずやることは、「健診会社から直接仕事を依頼してもらえるようになる」ことです。
紹介派遣会社に個人事業主として業務委託契約を結べないか交渉したこともありますが、検討してもらえないことが多かったです。
健診会社に直接交渉すれば承諾してくれる会社もあります。
とはいえ、放射線技師の個人事業主(業務委託契約)の求人や案件を調べても、インターネット上にはありません。
紹介派遣会社を通さずに、直接健診会社と繋がるにはどうしたら良いのか、、
健診会社と繋がるための方法は3つ!!
- 知人に紹介してもらう
- 伝手をつくる
- 自分で営業をかける
知人に紹介してもらう
一番確実な方法が紹介してもらうことです。
巡回健診のほとんどが技師間の紹介で仕事が回っています。
そのためネットには情報が落ちていません。ネットに掲載してはじめましての技師に任せるより、長年付き合いのある技師ならやり方も把握してるので教える手間も省け、ミスも少なく安心して仕事を任せられられますしね。
伝手をつくる
私は周りに紹介してくれる技師がいなかったので、人脈作りからのスタートでした。
取り敢えずアルバイトや派遣の仕事で色々なところに行きまくりました。
人脈を作りたいときは、同日に複数名のアルバイトを募集している仕事が情報を得やすいです。
アルバイトが自分一人の場合でも、社員の技師さんから話を聞けるので情報が得られます。
自分からコミュニケーションを取りに行くことが求められますが、これも仕事の一つだと思い頑張りました。
良い印象を持ってもらえるとより情報を得やすくなり、チャンスが回ってきます。
いきなり根掘り葉掘り聞きすぎると「何だコイツ⁉︎」となるので程よい距離感で。
技師だけでなく、受付や誘導のお姉様方、ドライバーさんなど全てのスタッフさんと仲良くなった方が良いです。
意外とそういう方々からたくさん情報が得られます。
いつどんなご縁があるか分からないので、日々身の引き締まる思いです。
自分で営業をかける
ホームページを持ってる健診会社であればネットで検索すると出てきます。
そもそも健診会社の名前を知っていないと検索できないので、色々な仕事に行きまくりましょう。
私は勇気がなくて直接電話はできなかったので、ホームページに記載されているメールアドレスに連絡して面談を受けました。
最初から業務委託で契約できれば良いですが、まずはアルバイトから始めて、信用が得られてから交渉すると上手くいきます。
2.個人事業主になるために必要な手続き
健診会社と業務委託契約を結ぶ
個人事業主として仕事をする場合、多くは業務委託契約を締結することになります。
業務委託契約は、請負契約と委託契約(準委託契約)に分けられます。
放射線技師などのコメディカルの場合は、準委託契約に該当するようです。
📢【業務委託】についての記事はこちら
業務委託契約を結ぶときは、自分で契約書を作成する必要はないことが多いです。
基本、口約束です。
後々必要になってからお願いして契約書を作ってもらうこともできます。
コロナのときのように給付金の申請をする際に必要になるかも知れませんが、今のところ必要になったことはありません。
📢【業務委託契約書】の作成方法について知りたい方はこちら
契約内容を決める
業務委託契約を結ぶことが決まったら、健診会社と契約内容を決めます。
決めた方が良い項目は、
- 日給(モダリティごとの半日/一日の金額設定)
- 追加料金(時間・人数追加、出張代)
- 交通費
- インボイス登録は必要か確認する
- 消費税はどうするか(税込または税別)
- キャンセル料
- 請求書の提出期限
日給(モダリティごとの半日/一日の金額設定)
巡回健診の半日の日給は、
胸部:1.8〜2.3万円
胃部:2〜2.7万円
マンモ:2.3〜2.7万円
が多いのではないでしょうか。
健診クリニックや整形外科はもう少し安いです。
日給制が多いですが、時給でも良いと思います。
追加料金(時間・人数追加、出張代)
撮影件数が多かったり、予定の終了時間より大幅にオーバーした場合は、追加で料金をいただいています。
例えば、
胸部撮影→300名以上撮影したら+2000円
マンモグラフィ→50名以上撮影で+3000円
半日4時間以降→15分毎に+250円(1時間オーバーだと+1000円)
など決めておくと良いと思います。
宿泊を伴う仕事の場合は、出張費として3000円をいただいています。
交通費
交通費は基本的に健診会社が負担してくれることが多いですが、中には日給を多く支払う代わりに交通費を負担してほしいという会社もありました。
後でトラブルにならないよう、先に決めておいた方が良いです。
インボイス登録は必要か確認する
私はまだインボイス制度は登録していません。
健診会社から登録を求められたら手続きしようと思っています。
インボイス登録をすると税込の金額になるので、必ず消費税を納めなければいけなくなります。
要するに、ズルができなくなるということです。
📢【インボイス登録】についての記事はこちら
消費税はどうするか(税込または税別)
請求書を作成するにあたって決めておく必要があります。
消費税を税込と税別のどちらにするのかによって売上が結構変わります。
インボイス制度の登録を求められた場合は税込(内税)が楽だと思います。
登録しなくても良い方は税別(外税)の方が支払われる金額が多くなるので、可能であれば税別にしたいところです。
なぜ税別の方が良いのか?についてはこちら
📢【請求書の作り方】
キャンセル料について
当たり前ですが依頼がキャンセルになると収入はゼロになってしまいます。
直前にキャンセルされても他の仕事で穴埋めは難しいですし、頻繁にキャンセルされても困ります。
私はキャンセルの場合、下記のように契約をしています。
1週間前のキャンセル→1割
2〜5日前→5割
前日→9割
当日→全額
請求書の提出期限
請求書の提出は、その月の月末に提出することが多いです。
開業届を提出する
個人で事業をはじめるときに税務署へ提出する書類です。
まだ個人事業主としての仕事がなくても提出できるので、前もって準備して問題ないです。
書類は下記のサイトからダウンロードできます。
〈URL〉
📢【開業届の書き方】についての記事はこちら〈URL〉
青色申告承認申請書を提出する
開業届と一緒に「青色申告承認申請書」も提出します。
個人事業主が行う確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
白色申告は控除がなく、経費計上もできないですが、青色申告は最大65万円の青色申告特別控除が受けられ、経費計上が可能です。
65万円の控除を受けるためには、この書類を提出する必要があります。
青色申告は個人事業主として仕事(売上)がある人が使える最強の節税対策です。
開業届と同様、まだ個人事業主の仕事がなくても提出は可能です。
📢【青色申告】についての記事はこちら
3.個人事業主になってからやること
請求書の作成
正社員は会社側が給与明細を作成してくれますが、個人事業主は自分で作成して取引先に送付しなければなりません。
提出期限は必ず守るようにしましょう。
ネット上に放射線技師の請求書の見本はないので、他業種の請求書を参考に作ります。
📢【請求書の作り方】についての記事はこちら
売上が振り込まれているか確認する
稀に、振り込まれていないときや金額が違っていることがあるので、売上の振込・金額確認は必ず行います!
事業専用の銀行口座を別にしておくことで、お金の管理がしやすくなるかもしれません。
私は事業用、現金貯金用、税金支払用の3つに分けて管理しています。
確定申告の準備
フリーランスになったら自分で年間の所得を計算・申告・納税しなければいけません。
この一連の作業が「確定申告」です。
青色申告の場合は帳簿を付けなければいけないので、レシートや領収書を全て取っておきましょう!
帳簿や確定申告書類の作成を行うソフトの準備も必要です。
確定申告は難しく感じますが、ソフトを使えば1〜2日で終わるので楽勝です。
以前はやよいの青色申告(デスクトップ版)を使っていましたが、今はオンライン版を利用しています。
とても簡単で分かりやすくオススメです。
マメな方は一月毎に領収書の入力をするのでしょうが、私は面倒くさがりなので年末年始の時間があるときにまとめてやっています。
4.「病院×個人事業主」のお得な節税方法
病院や健診施設で働きながらアルバイトをしている方に言いたい。
アルバイト契約を個人事業主として業務委託契約にできると良いことがたくさんあります。
売上(事業所得)があれば青色申告ができるので節税になりますし、【損益通算】ができるのもメリットの一つです!
※継続して事業を行えているとみなされない場合、事業所得ではなく雑所得扱いになってしまうので注意。
損益通算とは、赤字の所得を黒字の所得から差し引いて課税所得を計算することです。
損益通算をして源泉徴収税額に過払いがある場合、確定申告を行うことで還付を受けることができます。
📢【損益通算】についての記事はこちら
まとめ
アルバイトや派遣の契約を個人事業主に変えることで税金を自分でコントロールでき、手取りを増やすことができます。
周りにフリーランスや個人事業主の知り合いがいない方は、諦めずに色々な仕事先に出向いていれば良い出会いに巡り合えるものです。
私も新たな仕事先を開拓できるように日々精進していきます。